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研究計画書で『研究目的』と『研究課題』を混同しないための書き方blog

研究計画書で『研究目的』と『研究課題』を混同しないための書き方

研究計画書における『研究目的』と『研究課題』
研究計画書

研究計画書を作成する際、多くの学生や研究者がつまずきやすい点の一つが、「研究目的」と「研究課題」の違いを十分に整理しないまま文章を書いてしまうことである。実際、両者は密接に関係しているため、一見すると似たような内容になりやすい。しかし、この二つを混同すると、研究計画書全体の構造が曖昧になり、読む側に研究の狙いや方法が伝わりにくくなる。とくに、大学院入試の研究計画書や指導教員への提出資料では、この違いが明確になっているかどうかが、研究の成熟度を判断する一つの材料となることが多い。

そこで本記事では、「研究目的」と「研究課題」の違いを整理したうえで、実際にどのように書き分ければよいのかを具体的に解説する。

研究計画書で混同が起きやすい理由

「研究目的」と「研究課題」が混同されやすい理由は、どちらも研究の中核に関わる内容だからである。研究目的を書くときにも「何を明らかにするのか」を述べるし、研究課題を書くときにもまた「何を問うのか」を述べる。そのため、書き手の側では両者をほぼ同じものとして扱ってしまいがちである。

しかし、両者は役割が異なる。研究目的は、研究全体として最終的に何を明らかにしたいのかを示すものであり、いわば研究の到達点を示す。これに対して研究課題は、その到達点に至るために設定される具体的な問いである。換言すれば、研究目的はゴールであり、研究課題はそのゴールに到達するための分析上の焦点である。この区別が曖昧なまま書くと、研究計画書において「なぜこの研究をするのか」と「何を具体的に検討するのか」が分離されず、全体が平板な印象になってしまう。

研究目的とは何か

研究目的とは、その研究が最終的に何を解明し、どのような知見を得ようとしているのかを示すものである。ここでは、個別の細かな問いを並べるのではなく、研究全体の方向性と狙いを簡潔かつ明確に述べる必要がある。

たとえば、「地方都市における若者の定住意識の形成要因を明らかにすることを目的とする」「看護学生の実習不安に影響を与える要因を検討することを目的とする」「SNSマーケティングが消費者の購買行動に与える影響を解明することを目的とする」といった表現がこれにあたる。これらはいずれも、研究がどのような対象を扱い、どのような問題を明らかにしようとしているかを示している。

研究目的を書く際に重要なのは、研究の全体像が一読して把握できることである。あれもこれも盛り込もうとして内容を広げすぎると、結局何を目指す研究なのかが不明瞭になる。研究目的は、広すぎず、狭すぎず、研究全体を統括する一文として提示されるのが望ましい。

研究課題とは何か

これに対して研究課題とは、研究目的を達成するために設定される具体的な問いである。研究課題は、研究目的をそのまま言い換えるものではない。むしろ、研究目的を分析可能な問いへと分解し、実際の調査・分析・考察につなげるための役割を担う。

たとえば、「地方都市における若者の定住意識の形成要因を明らかにする」という研究目的があるとする。この場合の研究課題としては、「若者はどのような地域資源を定住理由として認識しているのか」「雇用機会は定住意識にどの程度影響しているのか」「地域コミュニティへの参加経験は定住意識とどのように関連しているのか」といった問いが考えられる。これらは、研究目的を達成するために必要な視点を具体的に示している。

つまり、研究課題は、目的を実際の研究計画へと落とし込むための橋渡しである。研究課題が明確であれば、どのようなデータを集め、どのような方法で分析し、どのような順序で論じるべきかが自然に見えてくる。逆に研究課題が曖昧であれば、方法論もぶれやすくなり、研究計画書全体の説得力が低下する。

研究目的と研究課題の違いを一言で整理する

研究目的は「何を明らかにしたいか」である。

研究課題は「それを明らかにするために何を問うか」である。

研究目的は一段高い抽象度を持ち、研究課題は一段具体的である。研究目的は研究の意義や方向性とつながりやすく、研究課題は研究方法や分析設計とつながりやすい。したがって、研究計画書においては、まず研究目的を提示し、その後に研究課題を提示するという順序が自然である。

この順序を意識するだけでも、混同はかなり防ぎやすくなる。最初から課題を書こうとすると、全体の到達点が定まらないまま細かな問いだけが並びやすい。逆に、目的だけで終わると、具体的に何をする研究なのかが不明確になる。両者は対立するものではなく、階層の異なる要素として整理すべきである。

混同しやすい書き方の典型例

研究計画書でよく見られる問題は、研究目的と研究課題がほぼ同じ文章になってしまうことである。たとえば、「研究目的は、学生の学習意欲に影響する要因を明らかにすることである。研究課題は、学生の学習意欲に影響する要因を明らかにすることである」と書いてしまう例がある。この場合、両者がまったく同じ意味になっており、区別が成立していない。

また、研究目的の欄に具体的な設問だけを並べてしまう例も多い。たとえば、「SNSの利用時間は購買意欲に影響するのか」「年代によって反応は異なるのか」「どの投稿形式が購買行動につながりやすいのか」といった問いは、内容としては有意義であるが、これは本来研究課題として位置づけるべきものである。研究目的の欄では、これらを束ねる大きな方向性、すなわち「SNSマーケティングが消費者の購買行動に与える影響を明らかにすること」といった形で示す必要がある。

混同しないための実践的な書き方

混同を避けるためには、まず研究目的を一文で書き、その後に「その目的を達成するために何を問う必要があるか」を考える方法が有効である。この手順を踏むことで、目的と課題の役割分担が明確になる。

たとえば、研究目的を「中小企業における若手社員の離職意識の形成要因を明らかにすること」と設定したとする。そのうえで研究課題として、「職場内コミュニケーションは離職意識にどのような影響を与えるのか」「評価制度に対する認識は離職意識とどのように関連するのか」「キャリア形成の見通しは離職意識の強さに影響するのか」といった問いを立てていくのである。

ここで大切なのは、研究課題を単なる思いつきの列挙にしないことである。研究課題同士は、研究目的に向かって収束していなければならない。つまり、それぞれの課題が研究目的の一部を支える構造になっている必要がある。

良い書き分けの例

テーマ例:「子ども食堂の居場所機能」

研究目的:子ども食堂が地域社会において果たす居場所としての機能を明らかにすること。

研究課題:子ども食堂利用者は、そこをどのような場として認識しているのか。運営者は子ども食堂にどのような役割を期待しているのか。子ども食堂は学校や家庭とは異なるどのような関係性を生み出しているのか。

このように書けば、読む側はまず研究の全体的な狙いを理解し、その後でどのような視点から分析が行われるのかを把握できる。研究計画書として非常に読みやすく、論理構成も明瞭になる。

まとめ

研究計画書において「研究目的」と「研究課題」を混同しないためには、両者の役割の違いを明確に意識することが重要である。研究目的は研究全体の到達目標であり、「何を明らかにしたいか」を示す。これに対して研究課題は、その目標を達成するための具体的な問いであり、「何を問うのか」を示す。

この二段階を意識して書くだけで、研究計画書の論理性は大きく向上する。研究目的が研究の方向を定め、研究課題がその方向へ進むための道筋を整えるのである。研究計画書を書く際には、まず目的を定め、次にその目的を達成するための課題を具体化する。この順序を守ることが、混同を防ぐ最も確実な方法である。

結論:研究目的は「何を明らかにしたいか」、研究課題は「それを明らかにするために何を問うか」である。この区別を意識するだけで、研究計画書の構成は格段に明瞭になる。








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