レポートの書き方②|大学レポートの種類・構成・書き始め方を具体的に解説
昨日に続き、大学の レポートの書き方 について、より具体的に解説していきます。前回は、大学レポートの基本構成として 序論、 本論、 結論 の三構成を紹介しました。
今回はそこから一歩進めて、レポートにはどのような種類があるのか、実際にどのような順番で書けばよいのか、そして最初に何から取りかかればよいのかを整理していきます。大学に入学したばかりで、まだレポート作成に慣れていない方にもわかりやすいように、基本から丁寧に説明します。
レポートは分野によってスタイルが異なります
一口にレポートといっても、分野や授業の目的によって、求められる書き方は大きく異なります。代表的なものとして、次のような種類があります。
1)文献考察レポート:文献を検索し、それを資料として考察するもの
2)実験レポート:実際に実験を行い、データを収集し、分析してまとめるもの
3)観察レポート:現象を観察し、いくつかの観点から記述してまとめるもの
4)面接レポート:人に面接を行い、その発話をデータとして分析・解釈するもの
5)質問紙調査レポート:質問項目を作成し、回答を集めて分析し、まとめるもの
このように、レポートのスタイルは一つではありません。授業の目的、学問分野、研究手法によって必要な項目や重視される部分は変わります。ただし、どのタイプのレポートにも共通するのは、 何を明らかにしたいのか をはっきりさせ、それに必要な 資料・方法・考察 を筋道立てて示すことです。
ここでは特に、大学入学後に最初に接することの多い 文献考察レポート と 実験・調査系レポート を念頭に置いて説明します。
一般的なレポート構成
大学レポートでは、より具体的には次のような構成がよく用いられます。
1)はじめに
2)研究の背景
3)方法
4)結果と考察
参考文献一覧
この構成は、前回説明した 序論・本論・結論 の考え方を、より学術的な形に展開したものと考えると理解しやすいです。
とくに 研究の背景 の部分では、先行研究を効果的に取り入れながら、自分のレポートや研究がどのような位置づけにあるのか、その 意義 を明確に述べることが重要です。そして、この章の最後に 研究の目的 を簡潔に示すと、全体の流れがわかりやすくなります。
また、 方法 の章では、誰を対象に、いつ、どこで、どのようにデータを集め、どう分析したのかを具体的に示します。さらに、 結果と考察 では、得られたデータから何が読み取れるのかを論理的に説明していきます。
①最初に取りかかることは「目的」を決めることです
レポートを書くうえで、最初に取りかかるべきことは、 トピックを決めること です。別の言い方をすれば、 研究の目的を決めること です。何を、どこまで、どのように明らかにしたいのかをしっかり考える必要があります。
これは単にテーマ名を決めるということではありません。大切なのは、「なぜその疑問を持ったのか」「その疑問を通して何を確かめたいのか」を明確にすることです。レポートは、疑問から始まり、その疑問に対する答えを探すための文章です。したがって、目的が曖昧なままでは、その後の調査や考察もぼやけてしまいます。
たとえば、「教室内で先生の声の聞こえ方は場所によって異なるのではないか」「席の位置と挙手行動には何らかの関係があるのではないか」といった疑問を持ったとします。そうすると、その疑問を検証するためには、席ごとの挙手回数を記録し、分布図を作成し、さらに成績との関連も見ていく必要があるかもしれません。
さらに、席替え後にも同じ計測を重ねていけば、ある程度の 相関 や 因果関係 が見つかる可能性があります。このように、目的が定まると、「何を調べるべきか」「どのようなデータが必要か」が自然に見えてきます。
②位置づけを明確にするには先行研究を調べます
次に重要になるのが、 自分のテーマがどのような位置づけにあるのか を調べることです。そのために必要なのが 先行研究の確認 です。
先行研究を調べることで、そのテーマがすでにどこまで明らかにされているのか、どのような議論がされてきたのか、自分のレポートがどこに貢献できるのかが見えてきます。逆に、先行研究を確認せずに書き始めると、すでに広く知られていることを繰り返すだけになったり、論点の整理が不十分になったりするおそれがあります。
先行研究に当たるものとしては、書籍、学術論文、新聞記事、報告書、講演記録、番組内容などが考えられます。これらを参考にしたり、文章を引用したりした場合には、必ず 出典情報 を記載する必要があります。
一般的には、文中で (鈴木, 1989) のように書いたり、 鈴木(1989)は?と述べている といった形で示したりします。どの形式を採用するかは授業や分野によって異なりますが、いずれにしても 何を参考にしたのかを明記すること が不可欠です。
引用・参考文献の記載を怠ると大きな問題になります
大学のレポート作成において、特に注意しなければならないのが 剽窃 の問題です。他人の文章や考え方を使っているにもかかわらず、出典を書かずにそのまま用いることは、不適切な行為とみなされます。
文章の一部をそのまま使う場合は 引用 として明示し、自分の言葉で要約した場合でも、もとの情報源があるなら 参考文献 を示す必要があります。これを怠ると、レポートの評価が下がるだけでなく、大学によっては厳しい処分の対象となることもあります。
現在では、多くの大学で提出物の 一致度判定 や 類似度チェック が行われています。したがって、コピペをすれば見つからないだろうという考えは通用しません。レポートを書くうえでは、内容そのものだけでなく、 学術的なルールを守ること が非常に重要です。
③方法で書くべき内容
調査や実験、観察を伴うレポートでは、 方法 の章が非常に重要です。この部分では、読者が「どのように調べたのか」を再現できる程度に具体的に書くことが求められます。
一般的には、次のような情報が含まれます。
①被調査者(人数、年齢、性別、背景など)
②調査時期(いつからいつまでか)と調査場所
③使用機材や施設
④使用した材料
⑤データ収集の手順
⑥分析の方法
⑦結果に関わる基本情報
もちろん、分野や研究アプローチによって、必要となる記載内容は変わります。しかし共通しているのは、方法の章では 自分が何をどう行ったのか を客観的に示す必要があるという点です。ここが曖昧だと、結果や考察の信頼性も弱くなってしまいます。
結果と考察は分けて考えると書きやすくなります
レポートでは、 結果 と 考察 を一緒に書く場合と、分けて書く場合があります。どちらの形式を採るにせよ、まずは「何が得られたのか」を整理し、そのあとで「そこから何が言えるのか」を考えるという順序が重要です。
結果では、調査や実験で得た事実を客観的に示します。一方、考察では、その結果がどのような意味を持つのかを解釈します。結果と考察が混ざりすぎると、事実と意見の区別があいまいになるため、書く際には注意が必要です。
たとえば、ある席の生徒の挙手回数が多かったというのは 結果 です。その理由として、先生の声が聞き取りやすかった可能性や、視界の良さが影響した可能性を論じるのが 考察 です。この区別を意識すると、レポート全体が整理されやすくなります。
レポートは順序を守ることが大切です
以上が、より具体的な大学レポートの基本的な流れです。大切なのは、 目的を決める、 位置づけを確認する、 方法を示す、 結果と考察を述べる という順序を守ることです。
この順序が前後してしまうと、何を明らかにしたいのか、なぜその方法を使ったのか、どこからどこまでが事実でどこからが解釈なのかがわかりにくくなってしまいます。読みやすいレポートを書くためには、最初に型を理解し、その型に沿って内容を配置していくことが重要です。
まとめ
今回は、大学の レポートの書き方 の第二弾として、レポートの種類、一般的な構成、そして実際に書き始める際の流れについて解説しました。
レポートには、文献考察、実験、観察、面接、質問紙調査などさまざまな形式がありますが、どれも共通して 目的 を明確にし、 先行研究による位置づけ を確認し、 方法 を具体的に示し、 結果と考察 を整理して書くことが大切です。
大学のレポートが難しいと感じる方は、まずは細かな表現よりも、こうした基本的な流れを意識してみてください。順序を守って書くことで、何を言いたいのかが伝わりやすい文章になります。

